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春はどうしてかゆくなるの？

監修／東直行先生
医学博士
日本医科大学皮膚科講師
北村山公立病院皮膚科院長
1993年、日本医科大学卒業後、同大学大学院内皮膚科学潜行中に、
デンマーク王立オーフス大学マセリスボー病院皮膚科に2年間留学、アトピー性皮膚炎を研究。
日本医科大学大学院修了同大学皮膚科医局長を経て、04年より現職。
アトピー性皮膚炎、皮膚免疫学が専門。

春はアトピー性皮膚炎の方にとって憂鬱な時期。アトピーのかゆみだけでなく、そこに花粉症も加わる人もいるからです。
どうして春はアトピーが悪化してしまうのでしょうか。少しでも快適に過ごすために、春のアトピー対策を知っておきましょう。

１.季節の変化とアトピー症状との関係
春にアトピー症状が悪化する人も、しない人もいます。季節の変化とアトピー症状には、どんな関係があるのでしょうか？

■ 季節にともなう症状の変化には個人差がある

アトピー性皮膚炎の症状が、季節によって変化するかどうか、患者アンケートをとった病院のデータがあります（右表）。

それによると、季節によってアトピー性皮膚炎の症状が変化するかとの問いに、35人の患者のうち32人が変化すると答えています。そのうち30％の人は、春に悪化すると答えており、夏・冬に次いで春もアトピーが悪化しやすい季節であることがわかります。どの季節に悪化しやすいかは個人差があるようです。

■ 自分の傾向を知っていれば対策ができる

季節によって症状が変化する理由としては、気温や気候の変化や、それにともなうホルモンなどの内分泌系や自律神経系のバランスの変化なども一因として考えられます。内分泌系や自律神経の季節による変化については科学的なデータがなく、いまだ明らかにされていません。それでも、どの季節になると悪くなるか、自分の症状の傾向が経験的にわかっていれば、それに備えて症状の悪化を抑えることも可能になります。

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